更新日:2017年03月10日

5面加工

金型や機械部品などの切削加工において、材料を立方体型の金属塊とした場合、加工機に材料を固定する下面以外の5面が加工対象となる。すなわち、5面加工機とは、門型の工具軸取り付け部が可動することにより、加工ベッド上にセットした材料の上・前・後・右側面・左側面の計5面を同一の工具セットにより加工可能とするNC工作機械で、特に材料の再セットに手間がかかる、大物の製作に有効である。
 この場合、5面全ての加工を行った場合でも工具・材料のセットが一度ですむため、最終的な加工位置精度も高くなる。5面加工機はわが国で近年急速に普及し、特に大物金型製造の生産において顕著な効果を生んだ。
 複数面を同時に加工する方法としては、複数の工具動作軸を持つNC加工機械を使用することでも可能であり、こうした工作機械を多軸加工機と呼ぶ。この場合、複数軸それぞれに異なる工具のセットも可能であることから、ある軸で穴開けをする一方で別の軸によりエンドミル加工を行う、といった多彩な加工が行える。また工具軸可動範囲であれば荒削りと仕上げ加工を同時に行うなど、同一面での異種加工も同時に行える。
 5面加工機、多軸加工機は、工作機のコンピュータ制御化と共に進化したといえる。 

5面加工の様子を絵で図示した画像

適している分野・使用事例

金型加工、試作品。