更新日:2017年04月26日

電着塗装

電着塗装の原理は電気めっきと似た方法であり、水溶性塗料を満たした塗料浴中に金属製の被塗物を浸し、これを陽極又は陰極として直流電圧をかけると、塗膜形成成分が負又は陽に荷電し、被塗物表面に電着する。こうして塗膜を形成する方法である。被塗物を陽極とする場合をアニオン電着、陰極とする場合をカチオン電着と呼ぶ。
  電着塗装は他の塗装法に比べ、複雑形状でも均一な膜厚が得られるので防食性が高い塗装が行え、膜厚の管理も用意である。また塗料ロスがなく、衛生的で公害対策面から利点が大きい。これらのことから自動車部品や家電製品、サッシなどの建材への塗装方法として工場ライン生産で使われている。
  欠点としては、設備が大型化すること、被塗物は導電性に限られること、厚膜化が困難なことなどがある。
  カチオン電着(cation electropainting)は被塗物を陰極とし、塗膜成分を負に荷電させて行うが、この場合塗料浴中へ金属イオンが溶け出さないため特に防食性に優れている。これを利して自動車ボディのプライマー塗装として利用されている。 
 

アニオン電着塗装

適している分野・使用事例

アニオン電着塗装

自動車、自動車部品、家電製品、サッシなど建材。

カチオン電着塗装

自動車ボディ(プライマー)など防食性塗装。