更新日:2017年03月10日
シルク印刷
シルク印刷とは、孔版をスクリーンとして印刷対象を覆い、孔からインクを付けて印刷する方法であり、シルクスクリーン、スクリーン印刷ともいう。
シルク印刷での版は、メッシュ状の幕(スクリーン)に感光剤を塗布してからフイルムを焼き付け、現像処理を行い、これによってできた孔が使用される。当初は木枠に絹(シルク)を張った物に裏から型紙を張り、これを印刷面に当てその上からインクを付けて行っていたため、「シルク」という名称が使われているが、現在では版素材のほとんどがナイロンやステンレス鋼ができており、絹を使用しているわけではない。また、焼き付けを行わず、単に型を切り抜いた版を用いる場合はステンシル印刷といい、原理的にはシルク印刷の仲間である。
シルク印刷で使用するスクリーン版は、網点の再現性が悪いため通常印刷(紙媒体へ印刷を行ったもの)ではあまり使用されないが、版が柔軟で印刷対象が曲面でも対応できること、印圧が少なくてすむこと、多様なインク種類に対応できることなど利点も多く、布、プラスチック、フイルム、金属、ガラスなど紙以外の素材やびん、缶といった曲面への特殊印刷がシルク印刷で行われている。
また印刷可能なインク量が多いため下地を完全に覆うことができ、インクの盛り上がった印刷や、機能性塗料などを用いた特殊印刷にも使用されている。例えば、スクラッチカードなどの銀色部分はシルク印刷であり、半導体製造におけるパターンの印刷にもシルク印刷が用いられている。
適している分野・使用事例
缶類・プラスチック製品・ガラス製品など紙以外の素材や曲面への印刷、スクラッチカードの銀色部分、半導体製造におけるパターン印刷。