更新日:2017年03月13日

プラスチック成形加工

プラスチックとは「熱によって成形できる材料=thermo plastic resin」の略語であり、有機化合物のうち、常温では個体であるが加熱または加圧により所定の形に成形できる材料の総称であった。その後、熱によって硬化し成形できる樹脂が開発され、本来の熱によって流動化し成形する樹脂と区別するため、前者を熱硬化性プラスチック、後者を熱可塑性プラスチックとして分類した。現在では単にプラスチックという場合は合成樹脂およびそれらの成形物を指している。
  また、熱可塑性プラスチックのうち、分子鎖に炭素以外の元素を導入して強度や耐候性などの性質を改善したものをエンジニアリングプラスチック(エンプラ)と呼び、汎用プラスチックと区別する場合もある。分子鎖にベンゼン環を導入してエンプラよりもさらに性質改善したものはスーパーエンプラと呼ばれる。
  プラスチックの一般的な利点としては、成形加工だけで複雑な形状の製品が得られること、腐食しないため表面処理が不要であること、素材自体に着色が可能なことなどが挙げられる。この結果金属製品に比べて加工工程が単純化できるため、コスト的に非常に有利となり、
  その他にもプラスチックには軽いこと、耐水性や電気絶縁性が高いことなどが特徴としてあるが、金属に比べての欠点としては耐熱性に乏しいこと、弾性率の小さいことがある。 

主要なプラスチックの分類

主な汎用プラスチック

高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニール、ポリスチレン

主な準汎用プラスチック

ABS、AS、アクリル樹脂

主なエンプラ

ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、熱可塑性ポリエステル、変性PPE

加工種別について

加工種別とその方法や用途
加工種別
方法
主な用途
射出成形
材料を加熱、溶融し、圧力を加えて金型内へ高速に充填、自動的に成形する。 日用品から精密部品、小物からケース類まで幅広い。
押出成形
溶融した材料をダイスから押出、ダイスと同一の断面形状を持つ製品を連続的に成型する。 棒、板、シート、フィルムの成形。
ブロー成形 加熱して柔らかくした材料に空気を吹き込み、金型内壁に押しつけて成形する。 ボトル類。
真空成形 シート状の材料を金型に載せ、金型に開けた穴から間の空気を排出し、吸い付けて成型する。 卵パックなど容器、トレー類。お面。

この分野に含まれるキーワードへのリンク