更新日:2017年04月20日

スポット溶接(点溶接)

溶接しようとするニ枚の金属材料を接触させ、接触部を加圧しながら大電流を流すと電気抵抗により材料が発熱、局所的に溶融して接合される。これを電気抵抗溶接(resistance welding)と呼び、リベット接合に比べ軽量化でき、溶接時間も短いため作業効率が良い。
  スポット溶接(点溶接)は、電気抵抗溶接の一種であり、二枚の金属板を重ね合わせ、これを丸棒状の銅合金電極で加圧しながら通電する。通電された金属材料は、抵抗熱により局所的に溶融状態となり、電極からの圧力が加わった点状に圧接される。この方法では、1ヶ所あたりの溶接時間が非常に短くて済むため、作業効率が良く、自動車ボディなどの溶接方法として広く利用されている。
 スポット溶接の応用として、丸棒電極をローラー状電極とし、ローラーで均一に加圧しながら連続的な点溶接を行う方法がシーム溶接であり、主として油密、気密、水密を必要とする継手に利用される。これらのスポット溶接法では、生産効率が良い反面、大電流を流すため電源装置が大型になること、電極で材料を挟みこむ必要があるため溶接部の板厚、形状に制限が発生する。
 また、他の電気抵抗溶接としては、高周波溶接がある。高周波溶接においては、材料を発熱させる上で、大電流ではなく高周波を使用する。この方法では溶接が非常に高速に行えるため、ステンレスパイプの製造などに利用される。高周波溶接は熱可塑性プラスチックの溶接にも使用されている。 

スポット溶接仕組みを図示した写真

適している分野・使用事例

自動車ボディ、シームレスパイプ、ステンレスパイプの溶接。

用語解説

高周波

高周波溶接では直接高周波電流を流す場合(高周波接触抵抗溶接)と、コイルに高周波を流し誘電加熱する高周波誘導抵抗溶接がある。