更新日:2017年03月13日

鋳造

溶解炉で金属を加熱して溶融し、溶けた金属(湯)を鋳型に流し込み、冷却、凝固させて製品をつくる方法。材料には、鋳鉄のほか、アルミニウム合金・銅合金・チタンなどの合金が使用される。
 鋳造では、まず最初に製品と同一形状の模型を作り、それをけい砂などの鋳砂に埋め込み、模型を取り出して製品とほぼ同じ形状の空洞を持つ鋳型を作成する。製品の形状によって、中子を作る場合もある。この鋳型に溶融した金属(湯)を流し込む(鋳込め)。その後、湯は冷却され、固まった金属を鋳型から取り出し、必要に応じ機械などで仕上げ加工を行い製品とする。鋳造で得られる製品を総称して鋳物という。
 鋳造では、鋳型の形状に応じて複雑な形の部品も作成できるので、機械部品や建築金物などの工業製品をはじめ、鉄瓶や美術工芸品の製造方法などとして、幅広く用いられている。特に中空構造の成形は鋳造特有のものであり、花ビンやエンジンのシリンダーブロック製造などに生かされている。
 鋳造法の大きな分類には砂型を使用するものと金型を使用するものがあるが、砂型・金型に拘わらず、特に寸法精度が良いものを精密鋳造と呼び、その代表的な製法としてはロストワックス法(インベストメントモールド法)などがある。 

鋳造の主な種類

砂型鋳造法
生砂型鋳造法(手込造型、機械造型)、乾燥型鋳造法、
自硬性鋳型鋳造法、熱硬化型鋳型鋳造法(シェルモールド法)、
ガス硬化型鋳造法、消失性模型鋳型鋳造法(フルモールド法)、
減圧造型鋳造法(Vプロセス鋳造法など)
精密鋳造法
ロストワックス法(インベストメントモールド法)、
セラミックモールド法、プラスターモールド法
金型鋳造法
重力鋳造法、ダイカスト法、低圧鋳造法

用語解説

鋳鉄

炭素を2%以上含む、鉄-炭素系合金。ケイ素、マンガン、りん、硫黄を含み、流れ性が良いため鋳造に用いられる。

炭素含有量が0.03〜1.7%の鉄-炭素系合金。性質を改善するためニッケルやマンガンなどを含む鋼は特殊鋼という。

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