更新日:2017年03月09日

ロストワックス法(インベストメントモールド法)

精密鋳造法の一種で、古くはろう型法と呼ばれていたのも同様の方法である。鋳型の構成材としてセラミックなど耐火物を用いることにより、けい砂などを構成材とする砂型鋳造法では得難い、高い寸法精度が得られる鋳造法である。
ロストワックス法では、まず模型をろうでつくり、この模型を耐火物で固めて鋳型とし、乾燥させたのち加熱してろうを流出させる(脱ろう)。さらに高温加熱を行い、残留ろうの燃焼除去と同時に鋳型の焼成を行い、この鋳型に溶融した金属を注湯して、冷却後鋳型を壊し鋳物を取り出す。この方法で鋳物をつくると精度の高い、鋳肌の美しい鋳物が得られる。また、砂型を用いる鋳造法の基本は「貼り合わせ」であり、三次元各方向への複雑形状がある場合、鋳型作成が困難であるが、ロストワックス法では耐火物に埋め込んだろう模型が消失するため、複雑な三次元形状であっても作成可能である。

ロストワックス法について

適している分野・使用事例

工芸品、複雑形状部品など三次元形状の部品、ジェットエンジンのタービンブレードなど高精度で、硬く機械加工が困難な部品。