更新日:2017年04月26日

アルマイト仕上げ

アルマイト仕上げは、アルミニウムの耐食性を高めるため、素材表面に陽極酸化皮膜を生成する処理のことであり、戦前に日本で開発された。本来は商品名であるが今日では陽極酸化皮膜を用いる処理を一般にアルマイト(Alumite)と称している。
  アルマイトの製法は、アルミニウムを硫酸やシュウ酸などの酸溶液中で陽極として直流電流を流し、水が電気分解して発生する酸素とアルミニウムを反応させる。すると表面に多孔質で電気絶縁性の大きい酸化アルミニウム被膜が生成される。この酸化アルミニウム被膜を、高温高圧の水蒸気中にさらすことにより、水分を含ませると孔がふさがって耐食性が得られる。アルマイト仕上げをされた製品の代表的なものとしては調理用品がある。
  硬質アルマイトは、アルマイト処理において電解浴の温度を摂氏0~5度と低温にし、電流密度を高くして、低合金アルミニウムを陽極として酸化処理する製法で、これにより硬くて厚い皮膜がつくられる。
  硬質アルマイトでは、アルミ素材に比べ数倍から20倍程度の硬度が得られるほか、摩擦係数が少ないため耐摩耗性、潤滑性に優れ、航空機部品として多用されている。近年はその軽く耐摩耗性に優れた特徴を生かし、機械部品としてもその用途が広がっているほか、高い電気絶縁性を利して電子部品にも用いられる処理である。 

アルマイト仕上げ

適している分野・使用事例

アルマイト

調理用品、金属バット。

硬質アルマイト

航空機部品、機械部品、電子部品。